「オウンドメディアをやりたいが、うちも失敗しそうで踏み切れない」
「そもそも今から始めて、本当に意味があるのか」
これから立ち上げようとしている方から、このような相談をいただくことは少なくありません。
結論からいうと、オウンドメディアは決してオワコンではありません。ただし、多くの企業が失敗しているのも事実です。
合否を分けるのは、失敗パターンを理解して、対策を立ててから挑めるかどうかです。
福田卓馬300社以上のSEO支援から見えた失敗例と、成功のコツをまとめました。
そこで本記事では、オウンドメディアでよくある7つの失敗をまとめました。あわせて、失敗を避ける4つのポイントと、外注する場合の判断基準も解説します。
本記事の執筆者

福田 卓馬EXTAGE株式会社 代表取締役社長
SEO歴13年。上場企業を含む300社以上のSEO・Webマーケティング支援を実施。KADOKAWA社より『文章で金持ちになる教科書』『Webライターが5億円稼ぐ仕組み』を出版。>>詳細プロフィール
オウンドメディアでよくある失敗7つ
うまくいかなかった会社を見ていくと、つまずいている場所はだいたい同じです。しかもその多くは1本目を書き始める前の決めごとで分かれています。
オウンドメディアの役割から整理したい方は、「オウンドメディアとは何か」で解説しています。

まずは、他社がどこでつまずいているのかを見ていきましょう。
それぞれ詳しく解説します。
記事は増えたが誰も来ない
もっとも多い失敗が、記事数だけが積み上がり、アクセスがほとんど増えない状態です。
検索から人が来るかどうかは、公開した本数では決まりません。狙ったキーワードで上位に表示されて、はじめて読者の目に触れるためです。
上位に入らない記事は、何本書いてもアクセスがゼロのまま積み上がっていきます。
| 状態 | 公開本数 | 検索からの流入 |
|---|---|---|
| 本数を目標にした場合 | 50本 | ほぼゼロのまま |
| 勝てる領域を絞った場合 | 10本 | 数本が上位に入り流入が発生 |
本数を追いかけるほど、1本あたりにかけられる時間は減っていきます。結果として、どれも中途半端な記事になり、さらに順位が付かなくなります。
月に何本出すかではなく、どの検索結果で勝つかを先に決めましょう。
誰も検索しない言葉で書く
2つ目は、社内で使っている言葉のまま記事を書いてしまう失敗です。
自社の商品名や業界用語は、その存在を知っている人しか検索しません。これから自社を知る人は、困りごとの言葉で検索するためです。
たとえば、同じテーマでも次のように分かれます。
✕ 「〇〇システムのアップデート機能について」
〇 「勤怠管理 エクセル 限界」
前者は、すでに商品を知っている人しか打ち込みません。後者は、まだ自社を知らない人が実際に検索している言葉です。
社内では毎日使う言葉ほど、外では通じないと考えておきましょう。
書きたいテーマが実際に検索されているかを、書く前に確認しておきましょう。Googleキーワードプランナーなら無料で調べられます。
会社が言いたいことを書く
3つ目は、会社として発信したい内容が、記事の中心になってしまう失敗です。
誤解のないようにお伝えすると、これらの記事が間違っているわけではありません。会社としては正しい情報でも、検索している人がいないというだけです。
- 展示会やイベントの出展報告
- 新サービスのリリース告知
- 社長や社員の考えを綴った記事
これらはお知らせ欄や採用ページで力を発揮する情報です。集客を目的とした記事とは、置く場所を分けて考えます。
判断に迷ったら、そのテーマを自分が検索するかを考えてみてください。検索しないなら、集客用の記事にはなりません。
集客用の記事は、読者の疑問から逆算して決めましょう。
出したきり数字を見ない
4つ目は、公開したあと、何の数字も確認しないまま次の記事に進む失敗です。
公開した直後は、まだ社内に見せられる数字が出ません。検索結果に表示されるまでに時間がかかるためです。
数字を見る習慣がないと、伸びている記事も、あと少しで上位に入る記事も見分けられません。
- 狙ったキーワードの検索順位
- 検索結果に表示された回数
- 問い合わせや資料請求の件数
いずれもGoogleサーチコンソールで無料で確認できます。
見るのは月に一度で足ります。始める前に、誰がいつ見るかまで決めておきましょう。
数字を見ていれば、社内から進捗を聞かれたときにも答えられます。
公開はゴールではなく、順位が付くまでの入口だと考えておきましょう。
成果が出る前に予算が尽きる
5つ目は、成果が出るまでの期間を見積もらずに始めてしまう失敗です。
検索からの流入は、公開してすぐには増えません。記事が評価され、順位が上がるまでに数ヶ月かかるのが一般的です。
3ヶ月で判断してしまうと、これから伸びる記事を抱えたまま撤退することになります。
| 時期 | 起きていること |
|---|---|
| 1〜3ヶ月 | 順位はまだ動かない |
| 4〜6ヶ月 | 一部に順位が付く |
| 7ヶ月〜 | 問い合わせが出始める |
4〜6ヶ月で一部の記事に順位が付き、検索からの流入が発生し始めます。
この期間を先に共有しておかないと、社内では「半年やって成果が出ない施策」と受け取られます。
少人数や限られた予算で始める場合の進め方は、「中小企業のオウンドメディア運用」でも解説しています。

始める前に、1年分の予算と体制を確保しておきましょう。
外注に丸投げして質が落ちる
6つ目は、記事制作をまるごと外部に任せてしまう失敗です。
外注そのものが悪いわけではありません。問題は、何を書くかを決める工程まで一緒に手放してしまうことです。
自社の現場でしか持っていない情報が入らないため、どこかで読んだ内容の記事が積み上がっていきます。
たとえば、商談で実際に聞かれた質問や、導入して何が変わったのかは社内にしかありません。
この情報が渡らないまま執筆だけを任せると、検索すれば読める内容の記事になります。
福田卓馬「書くだけ」の代行は、EXTAGEではおすすめしていません。
実際にどの会社に頼むかを判断する基準は、記事の後半で解説します。
外に出すのは執筆の工程であって、何を書くかの判断ではありません。
担当が辞めて更新が止まる
7つ目は、ひとりの担当者に運用が集中し、その人がいなくなると止まる失敗です。
立ち上げ期は、熱量のある担当者が一人で回すことがよくあります。ところが、異動や退職でその人が抜けた瞬間に、何も進まなくなります。
更新が止まったメディアは、そのまま放置されて数年残り続けることも珍しくありません。
- 狙うキーワードの一覧と優先順位
- 記事の作り方をまとめた手順書
- 公開後に見る数字と確認する頻度
この3つが残っていれば、担当が変わっても運用を引き継げます。
あわせて、立ち上げの時点でキーワードを決める人と書く人を分けておきましょう。ひとりに集める形にしなければ、担当が抜けても止まりません。
人の熱量ではなく、仕組みで続く形にしておきましょう。
とはいえ「7つを避けても、うちが成功する保証にはならない」と感じた方も多いのではないでしょうか。
福田卓馬EXTAGEでは『勝てるメディアの共通点』をまとめた『SEO成功事例集』を無料配布しています。
同じ規模の会社がどう成果を出したのかがわかります。成果までの期間と費用も載っているので、ダウンロードしてご活用ください。
オウンドメディアの失敗を避けても成功しない理由
ここまで7つの失敗を見てきましたが、この7つをすべて避けても、それだけでは成果は出ません。
失敗を避けるのは、他社と同じ状態に並ぶための作業だからです。自社が上位を取れる場所を選ぶ作業は、それとは別に必要になります。
ここを踏まえずに走り出すと、失敗はしていないのに成果も出ない状態になります。
7つの失敗は、どれも他社の記事に書いてあります。読んで対策すれば避けられるものばかりです。
問題は、避けたあとに何をするかが誰も書いていないことです。
失敗を避けただけでは届かない理由は、次の3つです。
それぞれ詳しく解説します。
競合も同じ対策をしている
1つ目の理由は、失敗を避ける方法が、すでに競合にも知られていることです。
検索すれば、失敗を避けるポイントをまとめた記事はいくらでも出てきます。同じ情報を読んだ会社が、同じ対策をして同じ検索結果に並びます。
全員が減点を防いだ状態では、どこで差が付くのかという問題が残ります。
| やること | 結果 |
|---|---|
| 失敗を避ける | 他社と同じ土俵に立てる |
| 勝てる場所を選ぶ | 他社がいない場所で上位を取れる |
検索順位は相対評価です。自社が良くなったかどうかではなく、競合より上かどうかで決まります。
同じ対策を同じようにやり切った会社が10社あれば、10位までの枠を奪い合うことになります。
7つを避けても、うちは成功できると言える材料にはなりません。
勝てない場所で戦っている
2つ目の理由は、そもそも自社では上位に入れないキーワードを狙っていることです。
検索結果の上位は、すでに大手メディアや老舗サイトが占めている領域があります。立ち上げたばかりのメディアが、同じ場所で正面から戦っても順位は付きません。
記事の質を上げても、戦う場所を間違えていれば結果は変わりません。
- 検索数が多い一語のキーワード
- 比較サイトが上位を占めている領域
- 大手企業が本気で対策している領域
逆に、検索数は少なくても自社の専門性が活きる領域なら、立ち上げ直後でも上位を狙えます。
実際に検索して、上位10件の顔ぶれを見るだけでも判断できます。
勝てる場所を選ぶ作業は、記事を書く前にしかできません。
順調かどうかも分からない
3つ目の理由は、何をもって成功とするかを決めていないことです。
基準がないと、いま順調なのか、手を打つべきなのかを判断できません。判断できないまま数ヶ月が過ぎ、社内では「成果が出ていない施策」として扱われます。
問い合わせは半年以上あとにしか出てきません。そこだけを見ていると、途中の良し悪しがまったく見えなくなります。
- 狙ったキーワードで何位まで上がったか
- 10位以内に入った記事が何本あるか
- 会社名で検索される回数が増えたか
これらは問い合わせより先に動く数字です。先に動く数字を持っておくと、社内にも途中経過を説明できます。
順位が上がっていれば、問い合わせが来る前でも前進していると言えます。
成功の基準は、記事を出す前に決めておきましょう。
オウンドメディアの失敗を避ける4つのポイント
ここからは、失敗を避けながら、同時に勝ち筋も用意する4つのポイントを解説します。
いずれも記事を書き始める前に決めておく内容です。順番に埋めていけば、立ち上げの設計はひととおり形になります。
すでに走り出している場合でも、この4つは後から埋め直せます。手を止めて、先に決めてしまうほうが早く戻ります。
どれも特別なツールは要りません。営業担当への聞き取りと無料ツールでの確認で埋まります。
それぞれ詳しく解説します。
勝てるキーワードを数える
最初にやることは、自社が上位を狙えるキーワードが何本あるかを数えることです。
ここが数えられれば、メディアで取れる集客の上限がわかります。上限がわかれば、そもそもやる価値がある施策かどうかも判断できます。
数え方は次の3ステップです。
商談や問い合わせで実際に言われた言葉を、営業担当から集めます。社内用語ではなく、お客様の言葉をそのまま使うのがポイントです。
書き出した言葉が月に何回検索されているかを、Googleキーワードプランナーなどで確認します。検索されていない言葉は、この時点で外します。
実際に検索して、上位が大手や比較サイトばかりなら見送ります。自社と同じ規模の会社が入っていれば、狙える領域です。
実際に成果を出した会社の中身を見たい方は、「オウンドメディアの成功事例」でも具体的に紹介しています。

狙えるキーワードが30本前後あれば着手する価値があります。
問い合わせに近い記事から作る
2つ目は、問い合わせに近いキーワードから記事を作ることです。
アクセスが多い記事と、問い合わせにつながる記事は別物です。検索数が多いテーマから作ると、読まれても事業につながらない状態になります。
先に成果が出れば、社内の理解も得やすくなります。
| キーワードの種類 | 検索数 | 問い合わせへの近さ |
|---|---|---|
| 〇〇とは | 多い | 遠い |
| 〇〇 やり方 | 中くらい | やや近い |
| 〇〇 費用/会社 | 少ない | 近い |
実際に、SNSスクール事業の株式会社HERO’ZZ様の例があります。
検索流入ゼロからキーワード設計と導線を見直しました。結果、6ヶ月で月間7,000PV・LINE登録15件/月まで伸びています。
BtoBであれば、LINE登録にあたるのが資料請求や問い合わせです。狙う場所を絞れば、この規模の件数は半年で届きます。
検索数の多さではなく、問い合わせに近い順で作りましょう。これだけで初速が変わります。
成功の基準を先に決める
3つ目は、何がどうなったら成功なのかを、始める前に文章にしておくことです。
基準がないまま走ると、社内で成果を聞かれたときに答えられません。答えられない状態が続くと、予算のほうが先に止まります。
基準は、次のように時期を分けて置いておくと判断しやすくなります。
| 時期 | 置いておく基準の例 |
|---|---|
| 3ヶ月 | 50位以内が出ている |
| 6ヶ月 | 10位以内が数本ある |
| 12ヶ月 | 問い合わせが毎月ある |
6ヶ月の時点で10位以内が数本あれば、検索からの流入も発生している状態です。
基準は一度決めたら変えず、同じものさしで毎月見ていきます。
この基準を上長と先に共有しておけば、途中で「成果が出ていない」と判断されることを防げます。
基準を決める作業は、社内で予算を守る作業でもあります。
1年分の予算と体制を決める
4つ目は、1年間続けられる予算と担当を、最初に確保しておくことです。
成果が出るまでには時間がかかります。途中で止まると、それまでに公開した記事も評価が伸びないまま残ります。
決めておく項目は次の3つです。
- 毎月の制作本数と、かけられる費用
- キーワードを決める人と、書く人
- 数字を確認する担当と、その頻度
予算と担当は、記事を書き始める前に押さえておきましょう。
とはいえ「この4つを埋めれば、社内に出せる形になるのか」と迷う方も多いのではないでしょうか。
福田卓馬キーワードの洗い出しからページへの割り当てまでをまとめた『サイト設計マニュアル』があります。無料配布中です。
書き始める前に自社の設計が合っているかを確かめられるので、着手前にダウンロードしてご活用ください。
オウンドメディアで失敗しないための依頼・外注方法
社内だけで抱えきれない場合は、外部に依頼する選択肢もあります。ただし何を任せて、何を社内に残すかで結果が変わります。
丸ごと任せると、判断そのものを社外に置くことになります。逆に、任せてよい工程まで抱えると立ち上げが進みません。
社内に人がいないことは、外注を避ける理由にはなりません。任せる工程と社内に残す工程を分けておけば問題ありません。
依頼を検討する前に、次の3点を確認しておきましょう。
それぞれ詳しく解説します。
書くだけの代行で足りるか
まず押さえておきたいのが、執筆だけを請け負う代行で足りるかどうかです。これは、依頼する側が設計を持っているかで変わります。
成果を分けるのは、どのキーワードを狙い、どこに問い合わせ導線を置くかという設計だからです。執筆だけを外に出しても、その設計は誰も持っていない状態が続きます。
納品された記事は増えていくのに、順位も問い合わせも動かないという状態になりがちです。
福田卓馬1記事いくらではなく、その記事がいくらの売上を生むかで判断するのがおすすめです。
運用まで含めて任せる場合の進め方は、「オウンドメディアの運用代行」で詳しく解説しています。

依頼するなら、設計から一緒に決められる相手を選びましょう。
自社にしかない情報は渡す
次に大切なのが、記事のもとになる情報だけは、自社から渡すことです。
調べれば書ける内容は、競合も同じように書けます。差が付くのは、現場でしか持っていない事実だからです。
自社から渡すべき情報には、次のようなものがあります。
- 商談で実際に聞かれた質問
- 導入前後で何がどう変わったか
- 現場でしか分からない判断基準や失敗談
取材やヒアリングの形で外部に渡す方法もあります。書く工程は任せても、情報の出どころは社内に置いておきます。
月に1時間、営業担当に話を聞く時間を取るだけでも、他社が書けない記事になります。
この時間だけは、社内の予定として先に押さえておきましょう。
外注してよいのは書く工程であって、自社が積んだ経験ではありません。
依頼先に聞く3つの質問
最後に、商談の場でそのまま聞ける3つの質問を用意しておきましょう。
費用や実績だけで比較すると、体制の中身までは見えません。誰が担当するのかを確認しておくと、納品物の質を事前に判断できます。
何を基準に選べばいいのかは、「SEO会社のおすすめと選び方」で判断軸をまとめています。

- 実際に記事を書くのはどなたですか
- 成果はどの数字で報告いただけますか
- 問い合わせまでの導線も提案いただけますか
この3つに具体的に答えられる会社であれば、設計から任せられる相手だと判断できます。
価格ではなく、誰が書いて何を報告するかで選びましょう。
よくある質問
最後に、これから立ち上げる方からよくいただく質問にお答えします。
いずれも、着手前に社内で聞かれやすい内容です。
そもそもやる価値があるのかは、「オウンドメディアは意味ないのか」でも解説しています。

オウンドメディアが失敗する割合はどのくらいですか
「9割が失敗する」は公的な調査に基づく数字ではありません。割合よりも、自社が上位を狙えるキーワードを何本持っているかのほうが判断材料になります。
成果が出るまでどのくらいかかりますか
検索からの流入が動き始めるまでに、半年前後を見ておくのが現実的です。問い合わせにつながるのはさらにあとになるため、1年分の予算を確保してから始めることをおすすめします。
何本書けば成果が出ますか
本数ではなく、勝てるキーワードを何本押さえられたかで決まります。狙う領域を絞れば、10本程度でも問い合わせが発生することがあります。
やめる判断はどこですればよいですか
半年たっても50位以内が1本もなければ見直しどきです。ただし多くの場合、やめる前に狙う領域を変えるだけで動き始めます。
とはいえ、どのキーワードなら勝てるのかを自社だけで判断できない方もいるのではないでしょうか。
福田卓馬EXTAGEでは、300社以上の支援実績をもとにSEOの無料相談を実施しています。
問い合わせが来るキーワードと集客導線が30分でわかります。着手前に方向性を固めたい方は、お気軽にご相談ください。


