「SEO対策って費用対効果はいい?」
「毎月コストをかけているが、どのくらい成果につながっているのかよくわからない…」
このような悩みを抱えている方は多いのではないでしょうか。
SEOの費用対効果を出す計算式は「(SEOが生んだ利益 − SEO費用)÷ SEO費用」で計算できます。
ややこしいのが、SEO対策によって生まれた利益が見えづらいことです。毎月のレポートやツールに並んでいる検索順位やアクセスを見ても、利益は自動計算されません。
そこで本記事では、SEO対策の費用対効果の考え方、計算方法とROI(費用対効果)の高め方までまとめました。

EXTAGE株式会社
代表取締役社長
SEO歴10年。上場企業を含む300社以上のSEO・Webマーケティング支援を実施。KADOKAWA社より『文章で金持ちになる教科書』『Webライターが5億円稼ぐ仕組み』を出版。
SEOの費用対効果の出し方
SEOの費用対効果は、SEO経由で生まれた粗利を、SEOに払った費用で割るだけで判断できます。
難しいのは計算ではなく、分子の数字づくりです。SEO経由の売上は、広告のように管理画面へ自動で表示されません。自社で組み立てる必要があります。
組み立てに必要なのは、たった2つの数字です。営業部門が持っている平均粗利と受注率。この2つがあれば、CV1件がいくらの価値なのかが決まります。

ここでは計算式から始めて、実績データが無い状態でも概算を出す方法までを4ステップで解説します。前回の12ヶ月ぶんのレポートを手元に置いて読み進めてみてください。
それぞれ詳しく解説します。
ROIの計算式
費用対効果はROI=(SEO経由の粗利 − SEO費用)÷ SEO費用 × 100で出します。
ここでのポイントは、売上ではなく粗利を使うことです。売上のまま計算すると、原価や人件費の分だけ効果を大きく見積もってしまいます。
たとえば月30万円をSEOに払い、SEO経由で月60万円の粗利が生まれたとします。この場合のROIは+100%です。
| 月のSEO費用 | SEO経由の粗利 | ROI |
|---|---|---|
| 30万円 | 60万円 | +100% |
| 30万円 | 30万円 | 0% |
| 30万円 | 15万円 | −50% |
数字が並ぶと、判断の問いが変わります。「この金額は高いか安いか」ではなく、「あと粗利がいくら増えればプラスに乗るのか」になります。
もう1つ注意したいのが、単月のROIだけで結論を出さないことです。SEOで作った記事は翌月も残り、翌年もクリックを集め続けます。
そのため、判断は12ヶ月の累計と、翌年に残る記事の本数をセットで見ます。まずは前回の契約期間ぶんを、この式に当てはめてみてください。
CV1件の価値を決める
分子を埋める鍵は、CV1件の価値=平均粗利 × 受注率という1本の掛け算です。
営業に聞く数字は2つだけで足ります。1件受注したときの平均粗利と、問い合わせから受注に至る割合です。
たとえば平均受注単価120万円で粗利率50%なら、平均粗利は60万円です。問い合わせからの受注率が10%であれば、問い合わせ1件の価値は6万円になります。
| 必要な数字 | 聞く相手 | 例 |
|---|---|---|
| 平均粗利 | 営業・経理 | 60万円 |
| 受注率 | 営業 | 10% |
| CV1件の価値 | 上2つの掛け算 | 6万円 |
ECサイトの場合はもっと簡単です。平均注文額に粗利率を掛けるだけで済みます。購入がそのままCVなので、受注率を挟む必要がありません。
福田卓馬受注率は直近1年の実績で出しましょう。感覚値だと分子が大きく揺れます。
この数字が決まれば、月に何件のCVで元が取れるのかが自動的に決まります。今日中に営業へ聞くべきは、平均粗利と受注率の2つだけです。
目標CV数を置く
CV1件の価値が出たら、月額費用 ÷ CV1件の価値で損益分岐のCV数を置きます。
この数字は、社内でも外注先とも共有できる共通言語になります。順位と違って、解釈の余地がありません。
月30万円でCV1件の価値が6万円なら、必要なCVは月5件です。ここから流入とクリック率を逆算していきます。
月額費用をCV1件の価値で割ります。月30万円÷6万円=月5件が最低ラインです。
CV数をサイトのCVRで割ります。CVRが1%なら、5件÷1%=月500セッションが必要です。
流入をクリック率で割ります。クリック率5%なら、500÷5%=月10,000回の表示が必要です。
ここまで出すと、狙うキーワードの検索ボリュームが足りているかを契約前に確かめられます。月10,000回の表示が必要なのに、対策候補のキーワードが合計で月3,000回しかないなら、その設計では届きません。
この3段の逆算を先に自社で持っているかどうかが、次の発注の分かれ目になります。提案を受ける前に、月5件のような具体的な数字を用意しておきましょう。
広告換算で概算を出す
SEO経由の実績データが1件も無くても、Search Consoleとキーワードプランナーだけで今日中に概算を出せます。
考え方は単純です。いま自然検索から来ているクリックを、もし広告で買っていたらいくら払うことになるか。その金額が、SEOが生んでいる価値の代替値になります。
必要なのは、クエリごとのクリック数とCPCの2つだけです。どちらも無料のツールで取得できます。
Search Consoleの「検索結果」を開き、期間を過去3ヶ月にします。クエリ別のクリック数をエクスポートしてください。
Googleキーワードプランナーに同じクエリを入力し、ページ上部の入札単価を控えます。
クエリごとに「クリック数 × CPC」を計算し、すべて足します。これが月あたりの広告換算額です。
実際に3つのキーワードで計算すると、次のようになります。CPCはそれぞれ300円・400円・500円として計算しました。
| キーワード例 | 月間クリック | 広告換算額 |
|---|---|---|
| 業種+対策 | 300 | 90,000円 |
| 業種+費用 | 120 | 48,000円 |
| 業種+比較 | 80 | 40,000円 |
3つ合計で月17万8,000円です。SEOに月30万円を払っているなら、広告換算だけでは費用に届いていない計算になります。
ただし、ここから指名検索のクリックは除いてください。会社名やサービス名で検索した人は、SEOの成果ではなく、もともと自社を知っていた人だからです。
福田卓馬指名検索のクリックは広告換算から必ず除きます。
この計算は、前回の契約期間にさかのぼっても出せます。Search Consoleの検索パフォーマンスは16ヶ月ぶんのデータが残っているためです。
前回の12ヶ月が本当にゼロだったのかは、広告換算で検算できます。ゼロでなかったのなら、次の判断材料が1つ増えます。
とはいえ「自社の数字で出したものの、この水準が良いのか悪いのか分からない」と感じている方も多いのではないでしょうか。
福田卓馬EXTAGEでは、同じ規模の会社がどう成果を出したかをまとめた『SEO成功事例集』を無料配布しています。
成果が出るまでにどのくらいの期間と費用がかかったのかを、自社の試算と並べて確かめたい方は、ダウンロードしてご活用ください。
SEOの費用対効果が合わない4つの原因
費用対効果が合わなかったとき、原因は業者の質ではなく、成果の測り方と設計にあるケースがほとんどです。
前回の結果を「業者が悪かった」か「SEOは効かない」の2つでしか説明できないと、次の一手は「もっと安い会社」になります。それでは同じ構造がもう一度動き出します。
実際に現場で起きているのは、もっと静かな出来事です。契約で約束したことは果たされている。順位も上がっている。レポートも毎月届いている。それでも売上が動かない、という状態です。
これは誰かの怠慢ではなく、何を成果と決めたかによって生まれる構造です。ここでは、その構造を4つに分けて説明します。前回のレポートと照らし合わせながら読んでみてください。
それぞれ詳しく解説します。
順位を成果指標にしていた
契約の成果指標が順位だと、返ってくるレポートも順位になります。
外注先は、契約で握った指標を最大化するように動きます。順位で握れば順位を上げる。ここに悪意はありません。
問題は、その順位がCVにつながるかどうかが、指標の外側に置かれることです。約束は果たされているのに成果が無い、という状態はここで起きます。
かつては、この設計でも十分に機能していました。順位が上がれば流入が増え、流入が増えれば売上が増える。この関係が、ほぼ一直線につながっていたからです。
その前提が崩れたのが、AI Overviewとゼロクリック検索の広がりです。検索結果の最上部にAIの回答が表示されると、1位のページでもクリックされないまま検索が終わります。
| 観点 | 以前の検索結果 | 現在の検索結果 |
|---|---|---|
| 1位の見え方 | 画面の最上部 | AI回答の下 |
| 順位と流入 | ほぼ連動する | 連動しない場合も |
| 成果指標 | 順位で代用可 | CV数で見る必要 |
つまり順位は、いまや成果そのものではなく工程の進捗にあたります。上がったこと自体は前進ですが、そこで止まると売上まで届きません。
次の契約で握るなら、順位ではなくCV数かCV単価にします。まずは前回のレポートを開いて、CVの列があったかどうかを確かめてみてください。
CVから遠いKWを狙っていた
流入は増えたのに問い合わせが増えなかったなら、取れていたキーワードがCVから遠かった可能性があります。
検索キーワードには、購入や問い合わせまでの距離があります。同じ1クリックでも、価値はまったく同じではありません。
「〇〇とは」で来た人は、まだ情報を集めている段階です。一方で「〇〇 費用」「〇〇 比較」で来た人は、すでに発注先を探しています。
| キーワードの型 | CVまでの距離 | 読者の状態 |
|---|---|---|
| 〇〇とは | 遠い | 調べている |
| 〇〇 やり方 | 中くらい | 自力で試す |
| 〇〇 費用・比較 | 近い | 発注先を探す |
こうなる理由も構造的です。検索ボリュームの大きいキーワードほど、流入の伸びをレポートで示しやすくなります。
成果指標が流入なら、ボリュームの大きい「とは」型が自然に選ばれます。ここでもやはり、約束は果たされているわけです。
福田卓馬流入が伸びた月ほど、CVから遠いKWが増えていることがあります。
前回のレポートに並ぶKWの8割が「とは」型なら、原因はここです。流入上位10キーワードを書き出して、3つの型に分類してみてください。
流入後の導線がなかった
記事は増えたのに問い合わせが増えなかった場合、記事とフォームの間がつながっていなかった可能性があります。
SEOの契約範囲は「記事を書いて順位を上げる」までで区切られていることが多くあります。記事から問い合わせまでの設計は、範囲の外に置かれがちです。
ここが弱いと、必要な流入量が何倍にも膨らみます。月5件のCVを取る場合で比べてみましょう。
| サイトのCVR | 月5件に必要な流入 |
|---|---|
| 0.5% | 1,000セッション |
| 1.0% | 500セッション |
| 2.0% | 250セッション |
CVRが0.5%と2.0%では、必要な流入が4倍違います。同じ費用をかけても、届く場所がまったく変わってしまうということです。
- 記事の最後に次の一歩が無い
- フォームの入力項目が15個以上
- 資料DLなど中間の受け皿が無い
導線の側は、外注しなくても自社で手を入れられる部分です。順位が動くのを待つ数ヶ月のあいだにも進められます。
CVRが2倍になれば、費用を増やさなくてもROIは2倍になります。前回の記事がまだ残っているなら、今月から着手できる打ち手です。
効果が出る前にやめた
6ヶ月や12ヶ月で判断して止めた場合、回収局面に入る手前で降りていた可能性があります。
SEOの指標は、同時には動きません。動く順番があり、CVは最後に動きます。
最初に動くのは表示回数です。次に掲載順位、その後にクリック、最後にCVという順で数字が現れます。
| 経過月 | 動き始める指標 | 見るポイント |
|---|---|---|
| 1〜3ヶ月 | 表示回数 | 増えているか |
| 4〜6ヶ月 | 掲載順位 | 20位内が増えたか |
| 7〜12ヶ月 | クリック・CV | 目標への進捗 |
この表の見方には、もう1つの使い道があります。逆の判断、つまり「止めるべきだった」も同じ表で分かることです。
12ヶ月払って表示回数すら動いていなかったのなら、止める判断のほうが正しかったことになります。同じ「成果が出なかった」でも、意味がまったく違います。
続けるか止めるかは、CVではなく表示回数の推移で先に判断できます。前回の12ヶ月ぶんを、この順番で見直してみてください。
どのくらいで成果が出るのかは、「SEOで成果が出るまでの期間」で詳しく解説していますので、参考にしてみてください。

SEOの費用対効果を高める方法
費用対効果を高める打ち手は、前回合わなかった原因の裏返しで決まります。
一般論として「良質なコンテンツを作る」と言われても、次に何を変えるかは決まりません。原因と打ち手を1対1で結んだほうが確実です。
前章の4つの原因に対応する打ち手は、次のとおりです。
| 前回の原因 | 次に打つ手 |
|---|---|
| CVから遠いKW | CVに近いKWから対策する |
| 効果が出る前にやめた | 既存記事の改善を優先する |
| 導線がなかった | CV導線をセットで設計する |
| 順位を成果指標に | 先行指標で毎月確認する |
4つすべてを同時に動かす必要はありません。前回のレポートで思い当たるものから着手すれば十分に効きます。
それぞれ詳しく解説します。
CVに近いKWから対策する
新しく記事を作るなら、検索数が小さくてもCVに近いキーワードから着手します。
費用対効果の分子は、クリック数ではなくCV数です。クリックが多くてもCVにならないキーワードは、分子を1円も増やしません。
実際に数字を並べると、差がはっきりします。CVRを前者3%・後者0.1%として計算した例が次の表です。
| キーワードの型 | 月間クリック | 月間CV |
|---|---|---|
| 〇〇 費用 比較 | 30 | 0.9件 |
| 〇〇とは | 200 | 0.2件 |
クリック数では約7倍の差がありますが、CV数では逆転しています。流入レポート上は見劣りする施策のほうが、売上には効くということです。
さらに、CVに近いキーワードは検索数が小さいぶん競合も少なくなります。上位化までの期間が短くなるため、回収も早まります。
狙うべきは検索数の大きさではなく、CVまでの距離の近さです。まずは自社サービスの周辺にある「費用」「比較」「事例」のキーワードから拾ってみてください。
CVに近いキーワードの選び方は、「SEOのキーワード選定」で手順から解説していますので、あわせてご覧ください。

既存記事の改善を優先する
前回の契約で作った記事が残っているなら、新規制作より先に既存記事の改善へ予算を回します。
すでに検索結果に載っている記事は、評価が積み上がった状態です。ゼロから作るより、順位を数段上げるほうが早く安く済みます。
とくに効くのが、11〜20位に埋まっている記事です。クリック率は順位によって大きく変わります。
| 掲載順位 | クリック率の目安 |
|---|---|
| 1位 | 約28% |
| 4〜5位 | 約7% |
| 11位以下 | 1%未満 |
11位以下から4〜5位まで上げられれば、同じ表示回数でもクリックが数倍になります。新規記事のように、インデックスされるところから待つ必要もありません。
Search Consoleで、掲載順位11〜20位かつ表示回数の多いクエリを抽出します。
そのクエリで検索し、上位ページにあって自社に無い要素を見出しとして追加します。
更新から数週間ほど様子を見て、掲載順位と表示回数の変化を記録します。
前回払った費用は、記事という資産の形で手元に残っています。次の投資はゼロからではなく、その上に積む前提で組み立てましょう。
CV導線をセットで設計する
流入を増やす施策と同じ月に、CVRを上げる施策も動かします。
順位が上がるまでには数ヶ月かかりますが、導線の改善は今月中に反映できます。着手から効果までの時間がまったく違います。
しかもCVRは、費用をほとんどかけずに動かせる余地が残っていることの多い部分です。具体的には次のような打ち手があります。
- 記事末に資料DLの受け皿を置く
- フォームの入力項目を減らす
- 料金ページへの内部リンクを追加
たとえばCVRが0.5%から1.0%になれば、流入が同じでもCV数は2倍です。ROIの分子がそのまま2倍になります。
福田卓馬導線の改善は、順位が動くまでの数ヶ月を埋める打ち手にもなります。
流入を待つ数ヶ月をCVRの改善に使うと、回収が前倒しできます。次の契約では、記事制作と導線改善をセットで範囲に入れておきましょう。
先行指標で毎月確認する
CVが動く前の月から見られる指標を、契約時に決めてレポートの項目に入れておきます。
CVは最後に動く指標です。CVだけを見ていると、順調に進んでいる月も「変化なし」に見えてしまいます。
逆に先行指標を毎月見ていれば、うまくいっていない場合も早い段階で気づけます。見る指標は経過月によって変えます。
| 時期 | 見る先行指標 | 正常の目安 |
|---|---|---|
| 1〜3ヶ月目 | 表示回数 | 右肩上がり |
| 4〜6ヶ月目 | 平均掲載順位 | 20位内が増加 |
| 7ヶ月目〜 | クリック数 | 目標CVへの進捗 |
この3段が揃っていれば、12ヶ月待たずに続けるかどうかを判断できます。3ヶ月目で表示回数が横ばいなら、その時点で施策の方向を変えられます。
福田卓馬レポートに表示回数の列が無いなら、追加を依頼しておきましょう。
先行指標を握れば、12ヶ月払い切ってから後悔する事態を避けられます。次の提案を受けるときは、レポートの項目案を先に見せてもらってください。
SEOと他施策の費用対効果の比較
SEOと広告・SNSは、費用対効果の出方そのものが違います。同じものさしで比べると判断を誤ります。
広告は出稿した月にCVが出て、止めた月にゼロに戻ります。SEOは数ヶ月遅れて動き始め、止めてもしばらく残ります。
そのため、単月のCPAだけで比べれば広告がほぼ必ず勝ちます。それでもSEOに費用を投じる企業があるのは、時間軸を伸ばすと両者の関係が入れ替わるからです。
逆にいえば、比べる期間を決めずに「広告のほうが効率がいい」と結論を出すと、判断を誤ります。前回SEOを止めた理由がここにあったケースも少なくありません。
ここではリスティング広告とSNS運用のそれぞれと性質を比べたうえで、両方に配分する場合の目安まで整理します。
それぞれ詳しく解説します。
リスティング広告との違い
両者の違いは広告は止めたら止まる、SEOは遅いが積み上がるという一点に集約されます。
広告は費用とクリックがほぼ比例します。予算を倍にすればクリックも倍になり、止めればゼロです。
SEOは費用を止めても、公開済みの記事は検索結果に残ります。この差が、時間が経つほど効いてきます。
| 比較項目 | リスティング広告 | SEO |
|---|---|---|
| 成果が出るまで | 出稿した日から | 6〜12ヶ月 |
| 費用を止めたら | 即日ゼロ | しばらく残る |
| 獲得単価の推移 | ほぼ一定 | 徐々に下がる |
月30万円を広告に使う場合、CPC250円なら約1,200クリックです。CVR1%とすれば月12件のCVになります。

ただしこの12件は、13ヶ月目も12件、24ヶ月目も12件のままです。費用を止めた翌月にはゼロに戻ります。
SEOは1年目のCVが広告を下回ることがほとんどです。一方で2年目以降は、費用を下げても記事が流入を集め続けます。
比べるなら単月のCPAではなく、24ヶ月の累計で並べます。前回の判断が短すぎたのかどうかも、この物差しで見直せます。
SNS運用との違い
SNSは需要を作る施策、SEOは既にある需要を刈る施策です。
検索は、自分から探している人にだけ当たります。SNSは、探していない人のタイムラインにも届きます。
そのため、CVまでの距離と成果が出るスピードが変わります。特徴を並べると次のとおりです。
| 比較項目 | SNS運用 | SEO |
|---|---|---|
| 当たる相手 | 探していない人 | 探している人 |
| CVまでの距離 | 遠い | 近い |
| 投稿の残り方 | 流れて消える | 資産として残る |
費用対効果の観点で分かれ目になるのは、検索需要の母数です。自社サービスに関わるキーワードの検索数が月に数十回しかないなら、SEOで刈れる相手がそもそも足りません。
その場合はSNSで認知を広げ、指名検索を作ってからSEOに戻すほうが早く回ります。新しいカテゴリのサービスほど、この順番が有効です。
検索需要の母数を先に確認してから、どちらに配分するかを決めます。キーワードプランナーで主要ワードの月間検索数を見るだけで判断できます。
両方に配分する場合の目安
SEOが立ち上がるまでの期間は、広告で穴を埋める前提で配分します。
SEOに全額を入れると、最初の半年はCVがほぼ動きません。社内で数字を求められたとき、続ける根拠を示せなくなります。
配分の目安は、経過月に応じて少しずつ動かしていく形です。
| 時期 | SEOの比率 | 広告の比率 |
|---|---|---|
| 1〜6ヶ月目 | 3 | 7 |
| 7〜12ヶ月目 | 5 | 5 |
| 13ヶ月目以降 | 7 | 3 |
この比率はあくまで目安で、検索需要の大きさや商材の単価によって変わります。ただし「最初からSEOに全額」だけは避けたほうが安全です。
この配分には、もう1つ利点があります。広告で先にCVしたキーワードが分かるため、SEOで狙うキーワードの精度が上がることです。
広告の検索語句レポートは、CVに近いキーワードの一覧そのものです。これを見てからSEOのキーワードを選べば、前章の「CVから遠いKW」を避けられます。
広告のCVデータをSEOのKW選定に流用すると、無駄打ちが減ります。まずは1〜6ヶ月目の配分から組んでみてください。
とはいえ「SEOでいくと決めたものの、次はどの会社に頼めばいいのか」と迷っている方も多いのではないでしょうか。
福田卓馬EXTAGEでは、SEO会社の選び方と見積もりの判断基準をまとめた『SEO依頼マニュアル』を無料配布しています。
届いた見積もりを自分で判断できる状態にしてから次の会社を決めたい方は、ダウンロードしてご活用ください。
費用対効果で見るSEO会社の選び方
次に依頼する会社は、実績の数や価格ではなく、費用対効果を測れる状態にしてくれるかで選びます。
順位だけを報告する会社が、悪意で数字を隠しているわけではありません。契約で握った指標を、そのとおりに守っているだけです。
ただし結果として、費用対効果を測れない状態がそのまま固定されます。12ヶ月後にもう一度、判断のつかない場所へ戻ることになります。
そこで、商談の場で確認する判断軸を4つに絞りました。どれも1回の打ち合わせで確かめられる内容です。
| 判断軸 | 確認する質問 | 危険なサイン |
|---|---|---|
| 成果指標 | 何を成果としますか | 順位のみと答える |
| 事前の試算 | CVは月何件ですか | 試算を出せない |
| レポート項目 | 見本を見せてください | 順位と流入だけ |
| 撤退ライン | いつ判断しますか | 決めたがらない |
とくに効くのが4つ目の撤退ラインです。「何ヶ月目に、どの数字が動いていなければ方針を変えるか」を先に言える会社は、自社の施策に見通しを持っています。
逆に撤退の話を避ける会社とは、止めどきの判断を自社だけで抱えることになります。社内で予算の再承認を取るときにも、この1問の答えが効きます。
福田卓馬撤退ラインを先に示せる会社は、続ける根拠も同時に示せる会社です。
4つのうち2つ以上に危険なサインが出たら、その提案は見送りましょう。価格の比較に入るのは、この4問を通過した会社だけで十分です。
とはいえ「自社の場合、どのキーワードなら問い合わせにつながるのか」が分からないという方も多いのではないでしょうか。
福田卓馬EXTAGEの無料相談では、問い合わせが来るキーワードと集客導線が30分でわかります。
次に狙うキーワードと、そこから問い合わせにつなげる導線を確かめてから判断したい方は、気軽にお問い合わせください。
成果指標まで提案できる会社を比べたい方は、「SEO対策会社のおすすめ」で特徴ごとに比較していますので、参考にしてみてください。

判断軸が固まったら、次に見るのが金額です。施策ごとにいくらかかるのかは、「SEO対策の費用相場」で早見表にまとめていますので、あわせてご覧ください。

よくある質問
最後に、SEOの費用対効果について寄せられることの多い質問をまとめました。判断の細かい部分で迷ったときに参照してみてください。
費用対効果の目安はどれくらい?
他社の平均ROIは目安になりません。商材の単価と受注率によって、適正な水準がまったく変わるためです。
見るべきは、自社の平均粗利と受注率から出したCV1件の価値です。そこから損益分岐のCV数を置き、12ヶ月後にそこへ届く見通しがあるかで判断します。
回収までどのくらいかかる?
一般的には6〜12ヶ月が目安です。記事が公開されてから検索結果で評価されるまでに時間がかかるためです。
ただし、その間まったく判断できないわけではありません。1〜3ヶ月目の表示回数の推移を見れば、順調かどうかは早い段階で分かります。
内製と外注はどちらが得?
担当者の工数を時給換算してから比べます。内製は費用が発生していないように見えますが、実際には人件費が乗っています。
月40時間かかっているなら、時給換算した金額を外注費と並べて比較しましょう。戦略設計だけ外部に任せ、記事制作は内製する分担も選択肢になります。
内製で進める場合は、「インハウスSEOの始め方」で体制の作り方から解説しています。

成果報酬型なら損しない?
何を成果と定義するかで意味が変わります。成果が順位の達成に設定されていると、CVが増えなくても費用は発生します。
それでは、順位を成果指標にしていた前回と同じ構造です。契約前に、CV数を成果の定義に置けるかどうかを確認しておきましょう。
効果測定に必要なツールは?
Search ConsoleとGA4の2つで足ります。表示回数・クリック・CVという先行指標は、どちらも無料の範囲で追えます。
有料の順位計測ツールは、あくまで確認作業を効率化するものです。ツールを増やす前に、GA4でCVの計測が正しく設定されているかを確かめてください。
見積もりで何を確認すべき?
作業項目ではなく、その作業がどの数字を動かすのかを確認します。項目名だけでは効果を判断できないためです。
「記事4本」と書かれていたら、その4本でどのキーワードを狙い、月何件のCVを見込むのかまで聞きましょう。答えられる会社なら、レポートも同じ粒度で返ってきます。
確認すべき項目は、「SEO対策の見積もりの見方」にまとめていますので、あわせてご覧ください。



